[背景・ねらい]
日本最大のフグの集散地である下関のフグ食は、関係する業界人の熟練の目利き技術によって支えられてきた。これに科学的な裏付けを与えるとともに、下関のフグの安全性と品質の高さ及びおいしさを科学的に明らかにし、その成果をアピールすることにより、フグ食の普及と消費拡大、フグ食文化の継続・発展を図るために、水産大学校を中心に山口県や下関市、山口県産業技術センター等と協力して「下関のフグ共同研究機関」を立ち上げた。農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センターの支援を受け、平成28年から3年間「下関の「ふく」の差別化と輸出拡大のためのIT 利用「めきき」技術の開発」と銘打ったプロジェクト研究を行った。その成果を中心に取りまとめ、フグ食の普及とフグ食文化の継承に貢献することを目的とした。
[成果の内容・特徴]
プロジェクトで得られた水産大学校教員12名の研究成果に、11名の研究者・業界関係者の成果・解説を加え、山口県、下関市及び水産技術研究所山口連携室の支援の下、 フグ食に関わる広い学術分野(生物・資源・社会科学・人文科学等)の最新の知識・技術を網羅した『フグ食の科学』を出版した(生物研究社、令和3年3月初版1,000部印刷、図1:非売品)。また、フグ食普及のため、山口県や関連する地方公共団体、大学、公的研究所、博物館、図書館、水産団体、漁協、漁業者、入手希望者に広く配布した。
[成果の活用面・留意点]
フグ食の普及・啓発により消費拡大に貢献する。講義の副読本や教科書にも適用可能であり、各分担著者の講義を通して人材育成に貢献する。
[その他]
研究課題名:下関の「ふく」の差別化と輸出拡大のためのIT 利用「めきき」技術の開発
研究期間 :平成28年度〜令和元年度
予算区分 :農研機構 生研支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト)」
研究担当者:酒井治己(代表)、中村誠、石田武志、椎木友朗、高橋洋、吉川廣幸、宮崎泰幸、池原強、和田律子、辰野竜平、河邉真也
発表論文等:本著書ほか、研究論文10報
入手方法:〒759-6595 山口県下関市永田本町2-7-1 水産大学校内山口連携室あてに「氏名(ふりがな付き)、所属、入手希望理由、送付先住所、電話番号」を書面に記入し封書で郵送。原則として希望者一人につき1冊とし、着払いにて発送する。
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