| 非食用向けの高鮮度漁獲物を利用した旨味の強い出汁・缶詰の開発 |
|
島根県浜田港で水揚げされる非食用サイズのアジ・サバの鮮度や脂質含量の加工特性を調査し、高鮮度漁獲物を利用した旨味の強い出汁・缶詰を作成する技術を開発した。開発した出汁・缶詰の試食アンケートでは、味等の評価が高く、高い価格設定でも販売できる可能性が示唆された。地元企業により、地元の高鮮度魚を使用した缶詰、出汁を使った炊き込みご飯の素が商品化され、人気を博している。 |
| 担当者名 |
島根県水産技術センター 漁業生産部 利用化学科 |
連絡先 |
Tel.0855-23-4805 |
| 推進会議名 |
日本海ブロック |
専門 |
加工流通技術 |
研究対象 |
浮魚 |
分類 |
研究 |
| 「研究戦略」別表該当項目 |
3(3)水産物の機能特性の解明と高度利用技術の開発 |
[背景・ねらい]
島根県浜田港に水揚げされるまき網の漁獲物は、高鮮度であっても、小型魚は餌料等の非食用向けとして流通している。そこで、これら高鮮度魚を使用した旨味の強い加工品を開発し、非食用魚の付加価値化および地元企業による商品化に寄与する。
[成果の内容・特徴]
1まき網で漁獲される小型(100〜200g)のマアジ・マサバの鮮度(K値)と脂質含量の周年変動を調査した。また、近赤外線による脂質含量の非破壊測定用検量線を開発した。水揚げ直後のK値は周年平均3%であった(図1)。冬季のマアジ・マサバは脂質含量が低く、出汁加工に適正があることがわかった(図2)。
2高鮮度なマアジ・マサバを使用した旨味の強い缶詰、出汁の開発を行った。旨味(イノシン酸)がもっとも高い「完全硬直」時に速やかに80℃以上に加熱することで、旨味(イノシン酸)を保持できることがわかり、マサバ缶(水煮)で市販の水煮缶の約2倍の旨味をもつ缶詰ができた(図3)。出汁も一般的な鰹節等の約2倍の旨味であった。脂質測定機で原料の脂質を事前に測定することで、脂質特性に応じた加工品の作成が可能となった。
3試作したマサバ水煮缶、マアジ出汁の試食アンケート調査を行い、調理方法やにおい、味、旨味をどのように感じたかおよび販売価格設定の目安となる金額を推定した(図4)。試作缶の味の評価は90%以上が「美味しかった」と回答し、価格を500円としても約半数が購入したいと回答した。マアジ出汁では、約6割の人が、強い旨味を感じており、市販品との差別化の可能性が高まった。
[成果の活用面・留意点]
島根県浜田市では地元企業が当技術を利用して25年振りに地元の漁獲物を使用した缶詰(アジ、ノドグロ、カレイ等)の自社生産・販売を行い、人気商品となっている(写真1)。高鮮度のサバ出汁は、隠岐の企業が作る無添加の「サザエ・バイの炊き込みご飯の素」等に使用し商品化しており、隠岐のおみやげ品として好評である。
[その他]
研究課題名:まき網漁獲物における非食用向けアジ・サバ類若齢魚の高品質食品化技術の開発事業
研究期間:平成27年度〜平成29年度
予算区分:県単
研究担当者:清川智之、井岡 久、石原成嗣、岡本 満、竹谷万里、開内 洋
発表論文等:石原成嗣、岡本満、竹谷万里、清川智之(2017)非食用向けアジ・サバ類若齢魚の加工特性について、水産物の利用に関する共同研究、第57集p.42−46
清川智之、井岡 久、石原成嗣、山田ちはる(2018)高IMP試作加工品のホームユーステストやアンケートによる消費者の評価、水産物の利用に関する共同研究、第58集p.48−56
|
| [具体的データ] |
|
|