| 1982年〜2017年間の夏季の北太平洋・北極海におけるサケの分布可能水温面積の変動 |
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1982年〜2017年間の夏季における北太平及び北極海の表面水温資料から、サケ(Oncorhynchus keta)の分布可能水温面積の変動を調べた。この36年間でサケの分布可能水温域は全体的に北へシフトした。夏季の北太平洋におけるサケの分布可能水温面積は減少傾向だが、北極海における 分布可能水温面積は増加傾向であった。しかし両海域全体のサケの分布可能水温面積は36年の間に約5%減少した。 |
| 担当者名 |
国立研究開発法人水産研究・教育機構北海道区水産研究所 生産環境部 生産変動グループ |
連絡先 |
Tel.0154-92-1725 |
| 推進会議名 |
北海道ブロック |
専門 |
資源生態 |
研究対象 |
さけ・ます類 |
分類 |
研究 |
| 「研究戦略」別表該当項目 |
5(1)生態系の機能・構造解明及び地球温暖化対策のための研究開発 |
[背景・ねらい]
サケ(Oncorhynchus keta)は外洋で1年〜7年回遊生活し母川に回帰する。回遊生活する北太平洋及びその縁辺海(オホーツク海・ベーリング海・北極海)においてサケは、表面水温が2.7℃から15.6℃の水温帯に分布していることが知られている。地球温暖化に伴い、将来にはサケの分布域が北に移動することが予測されている。近年、北太平洋における海面水温の経年変動は上昇傾向にあることが報告されており、それにともないサケの分布域も変動している可能性がある。また、日本系サケ資源は減少しているが、北太平洋全体では減少傾向ではなく、ロシアなど北太平洋北部の資源が増えている。そこで、1982年〜2017年間の夏季における北太平洋(オホーツク海・ベーリング海を含む)及び北極海の表面水温資料から、サケの分布可能水温面積の変動傾向を調べた。表面水温資料はNOAA High-resolution Blended Analysis of Daily SST and Iceで、解像度は1/4°X1/4°である。このデータセットから夏季(7〜9月)の北緯 30°N 〜75°N、東経 140°E 〜西経 120°Wに囲まれる海域を抽出し、サケが分布する2.7℃〜15.6℃の水温帯域の位置とその温度帯で囲まれる海域面積の経年変化を調べた。
[成果の内容・特徴]
過去36年間に夏季の北太平洋及び北極海における表面水温は、ほぼ全海域で温暖化していた。サケの分布可能水温域の南限及び北限は北へシフトしていた(図 1、2、3 の赤と緑)。夏季の北太平洋におけるサケの分布可能水温面積は統計的に有意な減少傾向になっており、面積の減少率は7月が約-36000km2/年(図1)、8月が約-34000km2/年(図2)、そして9月が約-28000km2/年(図3)であった。一方、北極海におけるサケの分布可能水温面積は増加傾向であった(7月9000km2/年、8月12000km2/年、9月16000km2/年)。しかし、夏季の北太平洋と北極海の両海域におけるサケの分布可能水温面積はこの36年の間に約5%減少した。
[成果の活用面・留意点]
今後、温暖化が進むに従い北太平洋のサケの分布域は減少する一方で、北極海におけるサケの分布域が更に拡大してゆくことが考えられる。このような外洋におけるサケ分布域の変化にともない、日本系サケの分布回遊経路、体サイズ、餌環境変化を捉える調査を継続して行ってゆく必要がある。
[その他]
研究課題名:漁業資源の適切な管理のための研究開発・海洋・生態系モニタリングとそれらの高度化および水産生物の収集保存管理のための研究開発(交付金)
研究期間:2019年度(2016年−2017年)
予算区分:交付金、水産庁補助国際水産資源変動メカニズム等解析事業費
研究担当者:東屋知範、浦和茂彦
発表論文等:NPAFC Doc.1767 1-7頁 2018年
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| [具体的データ] |
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