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能登〜佐渡島海域における暖水渦発生に伴う対馬暖流沿岸分枝の流路変化について
能登〜佐渡島海域における暖水渦発生に伴う対馬暖流沿岸分枝の流路変化についてリアルタイム急潮予測システムを用いて調べた。沿岸分枝が岸伝いに発達した後、能登半島東端から富山トラフ上へ時計回り渦が岸寄りで発達することで流れが富山沿岸から剥離し、沖合へ移動する流路遷移が毎年の夏〜秋に起きていること、その渦発達の時期、規模に経年変動があることを明らかにした。
担当者名 国立研究開発法人水産研究・教育機構日本海区水産研究所 資源環境部 海洋動態グループ 連絡先 Tel.025-228-0616
推進会議名 日本海ブロック 専門 海洋構造 研究対象 海流 分類 研究
「研究戦略」別表該当項目 5(1)生態系の機能・構造解明及び地球温暖化対策のための研究開発
[背景・ねらい]
日本海海況速報には、富山湾で出現・発達したと思われる暖水渦が頻繁に見られ、それが能登〜佐渡島海域の海況に大きな影響を与えていることが確認できる。その海況変動を理解するため、本研究では、能登〜佐渡島海域の対馬暖流を起源とする暖水渦の発生の季節性・経年変化を調べた。
[成果の内容・特徴]
リアルタイム急潮予測システムを用い2006〜14年の対馬暖流沿岸分枝の能登〜佐渡島海域での挙動を調べた。沿岸分枝が沿岸流として発達した後、能登半島北東端で渦が発生し、それが東へ発達することで富山トラフを飛び越え佐渡北西を通る沖合流路へ遷移する現象が、毎夏〜秋に起きていた(図1)。それは柏崎―小木の潮位差(KO差)の急激な減少に現れ、その程度は渦の大きい2013年に比べ、小さい2014年には小さかった(図2)。

沖合流路への遷移の年による違いを調べるため、各年のKO差の減少率が最も大きかった日に能登北方(図1)30m深から粒子を放出し、佐渡北方(図1)に達した粒子数の割合を求めることで沖合流路への遷移を検出した(図3赤線)。KO差の減少率が大きい時に沖合流路へ遷移傾向が高いことがわかり(図3青線)、KO差の減少率を、沿岸分枝の沖合流路への遷移とそれに伴う暖水域の発生を判断するための指標値として扱えることを示した。
[成果の活用面・留意点]
これまで解釈し辛く予測困難だった能登―佐渡海域の暖水域出現の発生パターンを明らかにしたことで、海況予測精度を向上させることができる。この成果により、実測潮位データを元にしたKO潮位差解析を通し、当該海域の渦発達・沿岸分枝の流路の経年変動を過去に遡って把握できる。これにより得られる知見から、ブリ等の回遊と漁獲量の関係やベニズワイガニの稚仔等の受動輸送と資源変動との関係の解明が進むことが期待される。
[その他]
研究課題名:気候変動影響解明のための東シナ海〜日本海における海況モニタリング

研究期間:2016 ー2020 年

予算区分:交付金(一般研究)

研究担当者:井桁庸介、和川拓、本多直人、阿部祥子



研究課題名:能登半島〜秋田沿岸海域における対馬暖流沿岸分枝の流路変更指標化の試み

研究期間:2018 ー2018 年

予算区分:交付金(シーズ研究)

研究担当者:井桁庸介、久賀みづき

[具体的データ]


図1 a)流路遷移前の対馬暖流沿岸分枝の模式図。矢印1-2は時間発展を示す。青矢印、赤領域はそれぞれ渦と高潮位領域を示す。赤、青点線は、それぞれ粒子放出、計数断面。b) 流路遷移後の模式図。矢印3-5は時間発展を示す。



図2 2013、14年における柏崎の潮位から小木の潮位を差し引いた潮位差(破線:15日移動平均)とその20日間における時間変化率の時間変化(実線)。



図3 青断面を西から東へ通過した粒子総数の経年変化(赤線)。柏崎の潮位から小木の潮位を差し引いた潮位差の20日間における時間変化率の最小値(図2の矢印)の経年変化(青線)。





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