[背景・ねらい]
ウナギ養殖では天然シラスウナギを種苗として使っているが、人工種苗への転換が求められている。水研機構・水産技術研究所・養殖部門・シラスウナギ生産部では、シラスウナギの大量生産を目指し、新規水槽及びこれを用いた飼育方法を開発しており、500尾以上/水槽での生産が可能となっている。そこで、開発されたシラスウナギの大量生産技術が移転可能な水準に達しているかを確認することを目的とした。
[成果の内容・特徴]
実証試験の結果、県水産試験場においても、機構と同等以上のシラスウナギ生産に成功し、開発した技術が十分に移転可能な水準に達していることが確認された。これまでシラスウナギの生産は、その困難さから機構を含めたごく限られた機関でのみ行われてきたが、今後は様々な機関で可能になると考えられる。なお、県水産試験場におけるシラスウナギ生産は、今回が初めての事例である。
[成果の活用面・留意点]
今後は、民間事業者への技術移転も積極的に行い、人工シラスウナギ生産の社会実装を加速する。
[その他]
研究課題名:ウナギ種苗の商業化に向けた大量生産システムの実証事業
研究期間:H29からR5年度
予算区分:水産庁委託
研究担当者:風藤行紀
発表論文等:Individual variation in post-metamorphic changes in feeding incidence, digestive organ tissues and enzyme gene expression in Japanese eel Anguilla japonica glass eels. 2023, Aquaculture, 576, 739890. Rui Hatakeyama, Ryusuke Sudo, Masato Higuchi, Masataka Satomi, Takashi Yatabe, Ryutaro Takasaki, Hitoshi Imaizumi, Yukinori Kazeto
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